シングルマザーが利用できる公的支援制度
シングルマザーが利用できる公的支援制度はさまざまあり児童扶養手当以外にも自治体独自の手当などがあります。
シングル家庭はどうしても経済的な負担や不安がつきものなので、制度を理解して経済的な安定と精神的な安定を築けるように賢く制度を使っていきましょう🌸
児童手当扶養手当
児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活を支援するための重要な制度です。
所得によって支給制限はありますが、シングル家庭には大きな給付となりますので、制度など知っておきましょう。
児童扶養手当の支給対象・支給日・申請方法・支給額
児童扶養手当の支給対象は、
18歳到達後、最初の3月31日までの子どもがいる所得の低いひとり親家庭に支給されます。
(母子家庭だけではなく、父子家庭ももちろん対象)
障害のあるお子さんの場合に関しては20歳未満まで支給が延長される場合もあり、シングル家庭を支える大きな制度の一つです。
現在も実際に受給されている方はいらっしゃるのではないでしょうか?
支給額は子どもの扶養人数によっても違いますし、所得制限があるため高所得者は一部支給となります。
児童扶養手当はシングルマザーを支える大事な手当です🌸
支給日や申請方法、支給額なども見ておきましょう。
🌸児童扶養手当の支給日🌸
申請が必要な児童扶養手当の時期は2か月に一度の奇数月になります。
11月11日(2025年9月~10月分)
1月10日(2024年11月~12月分)
3月11日(2025年1月~2月分)
5月10日(2025年3月~4月分)
7月11日(2025年5月~6月分)
9月11日(2025年7月~8月分)
🌸申請方法🌸
お住まいの自治体の区市町村役所こども家庭支援課窓口で申請を行います。
すでに受給されている方は毎年、8月に自治体から申請資料が届きますので現況手当の記入をして申請します。
8月中に現況手当の申請を行わないと受給できなくなる可能性がありますのでご注意下さいね!
はじめての申請の場合ですが、はじめての申請の場合は年一回に限定されているものではないので、離婚や死別などの状況で発生時点で申請できます。
子ども家庭支援課の給付係と分かれている自治体もあるので確認しましょう。
🌸申請に必要な書類🌸
戸籍謄・抄本(交付日から1か月以内)
世帯全員の住民票の写し(交付日から1か月以内)
所得証明書(交付日から1か月以内)
預貯金通帳(普通口座で請求者本人名義)
個人番号が確認できるもの(個人番号カードなど)
各自治体で必要な書類が大きく変わることはあまり考えられませんが、申請前に事前に調べておくと良いでしょう。
また、自治体では待ち時間を要することもあるので、小さいお子さんを抱えての申請は大変です💦
たーたんもひどく待たされてちょっとイライラ…したこともあったので、保育園でお子さんを預かってもらえる状況であれば遠慮なくお願いをしてください。
審査が無事に通りますと、決定通知が送付されます。
前年の年収や住民税の状況などの調査が入るので時間がかかり、決定通知の送付までに約3か月ほど掛かります。
収入面での負担が心配になるかと思いますが、大きな申請は一度だけなのでしっかり申請しましょう。
🌸児童扶養手当の支給額🌸
児童扶養手当の月額は、子どもの人数と受給者の所得に応じて変動します。
1人目の子ども: 45,500円(全部支給)~10,740円(一部支給)1
2人目の子ども: 10,750円(全部支給)~5,380円(一部支給)1
3人目以降: 6,450円(全部支給)~3,230円(一部支給)
所得の計算方法
- 総所得額(給与所得控除後の金額)
- 控除項目の差し引き
- 一律控除:80,000円
- 扶養控除:35,000円(子ども1人につき)
- 社会保険料控除:約給与収入の15~20%(例:年間収入300万円の場合、約45万円)
- 医療費控除(該当する場合)
- 申請者が一人親である場合の特別控除:350,000円
- 小規模企業共済掛金控除(年間の掛金)
所得制限額(例:扶養親族が1人の場合)
- 所得制限額:1,220,000円(年間)
上記の計算結果が所得制限額を下回る場合、児童扶養手当を満額受給できます。
児童扶養手当の受給額の具体的な計算方法
2024年現在の支給額は以下の通りです:
支給額例
- 第1子:月額43,160円(満額の場合)
- 第2子:月額10,190円追加
- 第3子以降:1人あたり6,110円追加
受給額の調整
所得が制限額を超える場合、受給額が減額されます。減額の計算式は以下の通りです:
- 基本式: 満額 – (所得額 – 所得制限額)× 0.0236
- 計算例:
- 所得が1,300,000円の場合: 満額43,160円 – (1,300,000円 – 1,220,000円)× 0.0236 = 43,160円 – 1,888円 = 月額41,272円
- 所得が1,300,000円の場合: 満額43,160円 – (1,300,000円 – 1,220,000円)× 0.0236 = 43,160円 – 1,888円 = 月額41,272円
受給額に関しては2025年に変更があるようです。(第三子以降)
常々、変更があることもあるので、注視していきましょう。
このように、所得が増えると段階的に支給額が減少しますが、支給が完全に停止する上限額もありますので注意が必要です。
児童扶養手当は所得制限がありますので、すでに受給されている方は年収要件などで働き控えをしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手当の金額は児童扶養手当は大きな金額となりますが、将来的に考えた時に働き控えをすることにより子どもが大きくなった時のキャリア形成ができない場合があります。
また、日本の公的年金制度は、働いた際に支払う年金保険料によって将来の受給額が決まる仕組みです。
そのため、働き控えにより将来の年金受給額も下がってしまう可能性もあるので、ご自身とお子さんのライフサイクルによって考えていくことをおすすめします。
児童育成手当
一部の自治体では、児童扶養手当に加えて、独自の手当を支給しています。例えば、東京都では「児童育成手当」として、以下の支給があります。
児童育成手当とは?
児童育成手当は、一部の自治体が独自に実施している制度で、シングルマザーや低所得家庭を支援するために支給される手当です。国の児童扶養手当とは別の制度であり、自治体によって名称や支給額、支給条件が異なります。
主な特徴
- 対象者
児童扶養手当と同様に、シングルマザーや父母のいない子どもを育てる世帯、または低所得の家庭が対象です。一部の自治体では、両親が揃っていても所得が低い家庭が対象になる場合もあります。 - 支給額
支給額は自治体ごとに異なります。例えば、東京都では1人あたり月額13,500円(2024年現在)が支給されます。 - 支給対象児童
原則として18歳までの子どもが対象ですが、障害のある場合は20歳まで支給されるケースがあります。
東京都の児童育成手当の詳細(例)
東京都が実施する児童育成手当について、具体例を挙げます。
支給要件
以下の条件を満たす家庭が対象です:
- 子どもが18歳になる年度末(障害がある場合は20歳)まで養育していること。
- 世帯の所得が一定基準以下であること。
- 東京都内に住所があること。
支給額
- 子ども1人あたり月額13,500円
※複数の子どもがいる場合、それぞれに同額が支給されます。
所得制限
世帯の所得に応じて支給の可否が決まります。所得基準は児童扶養手当の基準に近いですが、自治体によって差があるため詳細は役所で確認が必要です。
児童育成手当の申請方法
必要書類
- 申請者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 世帯全員の住民票
- 所得証明書(最新のもの)
- 子どもの在学証明書(必要な場合)
- その他、自治体が指定する書類
手続きの流れ
- お住まいの役所の窓口で申請書を受け取るか、ウェブサイトからダウンロードします。
- 必要書類を添えて申請を行います。
- 審査の後、認定されると支給が開始されます。
他の自治体での例
自治体ごとに制度が異なりますので、以下にいくつかの例を挙げます:
- 大阪市
- 支給額:月額10,000円(子ども1人あたり)
- 所得制限:児童扶養手当に準じる。
- 名古屋市
- 支給額:月額12,000円(子ども1人あたり)
- 条件:片親家庭または一定基準以下の低所得世帯。
- 福岡市
- 支給額:月額15,000円(子ども1人あたり)
- 特記事項:父母のいない家庭にも支給。
児童育成手当の注意点
- 申請忘れに注意
児童育成手当は自動で支給されるものではありません。必ずお住まいの自治体で申請手続きを行う必要があります。 - 年度ごとの更新手続きが必要な場合がある
児童扶養手当と同様に、所得状況や世帯構成が変わった場合には、更新手続きや届出が必要になることがあります。 - 他の支援制度との併用が可能
児童扶養手当や医療費助成制度と併せて利用できるため、各制度を組み合わせることで支援を最大化できます。
児童手当
児童手当とは?
児童手当は、子どもを養育する家庭に対して経済的な支援を行う国の制度です。日本国内に住所がある子どもが対象であり、所得に応じた支給があります。
主な特徴
- 対象者: 中学生以下の子どもを養育する家庭(15歳到達後の最初の3月31日まで)。
- 支給額:
- 0歳~3歳未満: 月額15,000円(子ども1人につき)
- 3歳~小学校修了前: 月額10,000円(第3子以降は15,000円)
- 中学生: 月額10,000円
- 特例給付(所得制限を超えた場合): 月額5,000円
- 支給月: 原則として年3回(6月、10月、2月)に分けて支給。
申請と支給の流れ
- 申請手続き
- 出生後や転入時に自治体の窓口で申請します。
- 必要書類: 出生証明書、健康保険証、申請者の本人確認書類など。
- 所得制限
- 所得が一定額を超える場合、特例給付として一律5,000円が支給されます。
- 変更届:
- 引っ越しや家族構成の変更があれば、速やかに届け出が必要です。
最近の変更点(2022年10月以降)
児童手当制度は、2022年10月に大きな改正がありました。以下の表にその変更点をまとめます。
変更前 | 変更後(2022年10月以降) |
---|---|
所得制限を超えた場合も特例給付あり | 所得上限額が導入され、超えた場合は支給なし(完全支給停止) |
所得制限限度額のみ適用 | 新たに「所得上限限度額」が設定され、2段階制に |
特例給付は一律5,000円 | 所得上限額を超えると特例給付も対象外 |
所得制限の判定基準は前年の所得 | 変更なし |
所得制限と上限額の目安(2024年現在)
所得制限限度額(扶養親族数に応じた金額)
扶養親族数 | 所得制限限度額 | 年収目安(給与収入) |
---|---|---|
0人 | 6,220,000円 | 約8,333,000円 |
1人 | 6,600,000円 | 約8,756,000円 |
2人 | 6,980,000円 | 約9,178,000円 |
所得上限限度額
扶養親族数 | 所得上限限度額 | 年収目安(給与収入) |
---|---|---|
0人 | 8,580,000円 | 約10,710,000円 |
1人 | 8,960,000円 | 約11,230,000円 |
2人 | 9,340,000円 | 約11,650,000円 |
※所得には各種控除が適用されます。
児童手当も所得制限が変更となり受給できる世帯範囲も大きく変わってきました。
変更点を知らないと受給できるチャンスも減ってしまいますので、最新の情報を得ていることが大事です🌸
民間の給付金などの手当
公的な支援制度の他にも民間で支援を行っているところもあり、情報を得ながら活用していくこともおすすめしています。
こちらの奨学金.netというサイトでは、奨学金や給付金型奨学金の情報を掲載してくれています。
奨学金の仕組みや返還の必要のない奨学金情報も記載があるので調べてみる事も良いでしょう🌸
一部、抜粋となりますが、以下の団体でも奨学金制度がありますのでご参考までにチェックしてみてくださいね🌸
※奨学金には種類があり、返済不要の「給付型」があります。
受給要件に関しては要綱に詳しく書いてあるので必ず確認しましょう!
みずほ農場教育財団
母子家庭・父子家庭で、経済的な理由で修学が困難な方に奨学金を給付しています。対象は小学生から大学生までで、月額15,000円または30,000円が支給されます。
古岡奨学会
高校へ入学する母子家庭の生徒に、在学中の学費の一部として、月額16,000円の奨学金を給付しています。
余慶会
福岡県内の高等学校に在籍し、大学等への進学を希望するひとり親家庭の生徒に、年間70万円の奨学金を給付しています。
ニビキ育英会
福岡県に生活の拠点を有する母子家庭の子女で、経済的に恵まれない生徒に対し、高校生・高専生には月額15,000円、大学生には月額20,000円の奨学金を給付しています。
ジャイアン2020
関東地区の母子家庭の高校2年生、3年生に対し、月額50,000円の奨学金を給付しています。
これらの奨学金は返還不要であり、経済的な負担を軽減する助けとなります。
その他の民間支援団体
シングルマザーを支援する以下の団体も、さまざまなサポートを提供しています。
- 日本シングルマザー支援協会: シングルマザーの就業支援や生活相談など、多岐にわたるサポートを行っています。
- ひとり親支援協会: ひとり親家庭の生活支援や情報提供を行い、社会的な自立をサポートしています。
これらの団体の支援を活用することで、シングルマザーの方々が直面する経済的・社会的な課題の解決に役立てることができます。
セーブ・ザ・チルドレン
セーブ・ザ・チルドレンは、子どもの権利を守り、すべての子どもたちが健康で安全に生活し、教育を受けられるよう支援する国際的なNGOです。日本国内外で活動しており、特に経済的に困難な状況にある家庭や災害時にサポートを提供しています。
主な支援内容
- 教育支援
- 経済的に困難な家庭の子どもたちが教育を受けられるよう、学用品の提供や奨学金プログラムを実施しています。
- 学習環境を整えるための補助や、学校への復帰を支援するプロジェクトも行っています。
- 緊急支援
- 自然災害や経済的困難で困窮する家庭に対し、生活必需品や食品、現金給付を行っています。
- 災害時には子どもが安全に過ごせる「子どもひろば」も設置しています。
- 地域支援プログラム
- 地域ごとの課題に応じた支援を展開。母子家庭を含む貧困世帯への生活支援や、子どもの学習機会の創出をサポートします。
- 啓発活動
- 子どもの権利を守るための社会啓発活動を行い、支援が必要な家庭への理解促進を図っています。
まとめ
シングルマザーやシングルファザーが使える公的支援制度、実は国や自治体のものだけじゃなくて、意外とたくさんあるんです!
奨学金制度も、思っていたよりたくさんあって、たーたんも調べてびっくりしました。
それから、セーブ・ザ・チルドレンでは、学校の長期休みに食料を配布していることもあります。
経済的に不安だったり、子育てで孤立してしまったり、貧困から抜け出せない状況って、本当に辛くて苦しいものです。
でも、どこかと繋がったり、誰かに頼ったりすることで、少しでも楽になれると思います。
そして、もし自分が経済的にも精神的にも自立できたら、今度は周りを助けられるようになりたいなと思っています。
その一歩がFPとして相談業を開業すること!!
これからも有益な情報をお届けできるように頑張ります!!
次回は、固定費の見直し方について、たーたんが実際にやってみたことを紹介したいと思います!